お前らが二次元がどうのこうのと現実逃避している間にも私は、
学業にバイトにと極めて健全といえる学生生活をこなしていた。
お前らが強がってそんなものいらないといっていたリアルの充実、
そして勝ち組へのサクセスロードを着々と歩んでいたのだ。
「今度のクラス会、ホイホイも行くよな?」
先日も友人からこんな誘いを受けた。いやあ、まいったね。
クラス会?それってあれだろ、女子とのあれだろ。
王様ゲームを始めて「きっす!きっす!」と盛り上がったり
あわよくば親交を深めた女の子とできちゃったりするあれだろ。
以前の私だったならこんな会の誘いは受けなかっただろう。
「クラス会とかいってるくせにクラスメイトの俺をハブりやがった!ファック!」
やり場のない怒りをこうやって日記内でぶちまけていたかもしれない。
そして現実から目をそむけエロゲーへと逃げていたかもしれない。
だが私は変わった。こんな毎日ではいけない。そう思えだしたのだ。
変わるためにまず、恋愛術を学ぶことから始めた。
手始めにその日からひたすら恋愛ゲームと少女漫画を読み漁ることに没頭した。
このなかに恋愛必勝法ってやつが書かれているに違いない。
世間のカップルどもはきっとこんな淡くて濃厚なエロスの日々を送っている。
それがたまらなく悔しかった。私も絶対にハーレムを築きあげなければな。
そして私はとある、ひとつの法則に気づいてしまった。
イケメンはもてる・・・!
そのことに気づいてからの私の生活はまさに一変した。
モテないのならイケメンになればいいじゃない。簡単なことだったのだ。
まずは眉毛を剃ることからはじめた。
眉毛の濃いイケメンは私の目指すベクトルとは微妙に違うからだ。
「とはいっても、どうやって眉毛をそればいいのやら・・・」
よく分からなかったので近くにあった髭剃りでためしにじょりじょりと刈り上げてみた。
作業は意外と早く終わり、眉毛は思惑通りにきれいさっぱり消えてなくなった。
これは・・・なかなかブラボーだぜ。眉の辺りが丸坊主の頭みたいに青い。
満足したのでついでに髪にもところどころ髭剃りで切れ込みを入れておいた。
あとなんといっても大事なのが服装。ビジュアルを制するものが世の中を制す。
これもやはり最近の流行がいまいち分からなかったのでこれを参考にしてみた。

おかげさまで今では、ガイアが俺にもっと輝けと囁いてくる毎日です。
いよいよイケメンになった私は意気揚々と学校へと向かった。
途中でイカツイ顔の先輩が声をかけてきた。
ここで怖気づいてはだめだ。私は変わるんだ。
「ヤンデレ命とか言ってたけどほんとは大のツンデレ好きですから!私は!」
「ふふ、お前、気に入ったぜ。よしついてきな」
先輩は妙にツーンと匂う(マジックのインキっぽい匂い)部屋へと案内してくれた。
ここからハジマル私の第二の人生。
いろいろと辛いこともあるけれど私はこの街が大好きです。
信夫の乱心〜混沌編〜完。
で、なんの話だったっけ。
そうそう、クラス会の話だったね。もちろんいきましたとも。
眉毛全剃りとかはさすがにないけれど服装はそれなりに気を使ってね。
「なにあいつ、きんもー☆」と言われないためにも細心の注意を払いましたとも。
ガイアとまではいかないけれど「あいつ・・・できる・・・!」と思わせてやんよ。
ジャージで。(次回、阿鼻叫喚のクラス会へと続く)
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